カメラのセンサーのはなし
*この話は100%推論です。正しいかどうかは自分で判断してください。
カメラ内で光を電気信号に変えるイメージセンサー。
「究極的にはイメージセンサーの大きさがカメラの性能を決める」
「イメージセンサーのより大きいカメラにはかなわない」
という説(以下、センサーサイズ至上主義と呼ぶ)があり、なんとなく正しいのだろうと思っていた。
今回はそれが正しくない可能性はあるのか、考えてみた。
センサーサイズ至上主義の主張はこう。
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「センサ―の面積が大きいほうが、その分一画素あたりの面積を大きくしたり、画素数を増やすことができるため、ノイズの少なさや諧調、解像度に優れる」
これは次の二つの極端なケースを考えるとわかりやすい。たぶん。
①大きさの異なる、画素数の等しいセンサーの場合
大きいセンサーのほうが一画素あたりの面積が広く、その分受光できる光の量が多い。
そのためS/N(シグナル/ノイズ)比が大きくなり、写真のノイズが減る。
また、光量の分解能に対する光の絶対量の比率が大きいため、明暗のグラデーション(諧調)が豊かになる。
②大きさの異なる、一画素あたりの面積の等しいセンサーの場合
大きいセンサーのほうが画素数を増やすことができ、同じ画角の写真をとったとき、より解像度が高くなる。
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概ね正しい気がする。
ではこの主張が正しくないケースはあるのだろうか?
注意すべきは、上述の論理は理想像に基づいているということ。
つまり、
「比較している大小両方のセンサ―が、最高の効率で光を電気に変換できて、
センサ―の面積のすべてを光の受光に使うことができるということ」
別の言い方をすると、
「現実には、センサ―が光エネルギーを電気エネルギーに変換するときは少なからずロスがある。またセンサ―には配線をしく必要があり、面積のすべてを受光に使うことはできない」(たぶん)
そしてその変換効率やセンサ―の全面積に占める受光面積の割合はイメージセンサ―の設計・製造技術により向上してきた。
15年前のカメラに搭載されているイメージセンサ―よりも、今年発売したカメラのイメージセンサ―のほうが変換効率は向上しているだろうし(たぶん)、受光面積の割合も大きくなっているだろう。
その進歩がとても大きければ、古い大型センサ―よりもノイズが少なく、諧調や解像度に優れた小型センサ―があってもおかしくはない。
もちろん、その進歩がどれくらいのスピードで、今後も改善の余地があるのかということは、開発者に聞かないとわからないかもしれない。
技術の進歩が止まったとき、センサ―サイズ至上主義が正しい時代が来るのかもしれない。