デザインという言葉の意味
これまで、デザインとはビジュアルをよくすること、つまり審美性の追求だけを意味すると思ってきた。
しかし近年の流れを見ると、カメラや都市計画などに見られるように
デザインとは審美性だけでなく、使いやすさなどの機能的な性質を考慮した、ものづくり全体の方針のことを差すように思われる。
また、機能的に優れているものを「美しい」という人も少なくない。
たとえば従来の大きく重い一眼レフカメラに対し、撮れる画質はそのままに、薄く小さくまとめたカメラを美しいと思う人もいるだろう。
プログラミングを好む人は、同じ機能を持ったプログラムであれば、より簡潔なコードで表すことに価値を見出すだろう。
消費者向けのものづくりの現場において、
機能面に詳しい人と審美性に詳しい人が協力してものをつくるとなると、
両者がかみあわない場面があるのは容易に想像できる。
しかし上で見てきたような機能性と審美性の関係性を考えると、
それらは互いに人任せにするのではなく、密接にコミュニケーションをとる必要があるのは当然といえる。
場合によってはその両方に特化した人材が重宝されるのも理解できる。